本企業が直面する倒産(経営の失敗)の要因は多岐に渡ります。
失敗要因を知っておくだけで、日々の経営リスクを軽減できるのではないでしょうか?
株式会社東京商工リサーチのデータを基に、近年の倒産件数推移とその主要な要因、さらにこれらの問題を事前に防ぐための対策について詳しく見ていきましょう。
年別倒産件数の推移
過去5年間の倒産件数は、下の図の通りです。
2023年は9,000件程度を記録しています。
過去3年間にわたって倒産件数は継続して伸びており、この3年だけ見ると大幅に増えた印象を持ちます。
しかしながら、さらに過去に遡ると2019年には年間8,000件程度の倒産を記録している時期があったことは確かで、2023年が取り立てて倒産件数が多かったわけではなく、むしろ倒産件数がかつてほどに回復したというのが正しい見方かもしれません。
なぜ2021年、2022年が6,000件台にまで落ち込んだのかの要因ですが、もしかしたらコロナを要因とした政府の助成金などが企業の延命に繋がったのかもしれませんが、これはあくまでも憶測の範囲です。
もし明確な理由を御存知であれば教えてください。
2023年の主要倒産要因
倒産件数の推移は上述の通りであり、一頃の落ち込みが戻って倒産件数が増えたというあまり芳しくない状況になったと言えます。
では、回復してしまった倒産件数を構成する要因は何だったのか。
それを示すのが下の図です。
販売不振が約3/4を占めています。
販売不振といえども、商品力なのか価格設定なのかなどいろいろとさらに分解できますが、詳細な分類結果までは元データでは記されていないため、これ以上の情報は不明です。
とはいえ、販売不振が大半の要因を締めているのは紛れのない事実であり、経営を左右するのは販売ということがここからも理解できるのではないでしょうか?
倒産要因の分析と対策
最後に、2023年に倒産要因として最も多かった5つについて、その要因とそれに対する対策を簡単にまとめてみました。
販売不振
<要因>:市場ニーズの不一致、競争の激化、マーケティング戦略の不足。
<対策>:ターゲット市場の再評価、マーケティング戦略の見直し、製品・サービスの質向上。
既往のしわよせ
<要因>:過去の経営判断の誤り、長期的な財務計画の欠如。
<対策>:経営層の教育強化、長期的な財務計画の策定、過去の判断の詳細な分析。
連鎖倒産
<要因>:主要取引先の倒産、業界内の経済環境の悪化。
<対策>:取引先の多様化、リスクマネジメントの強化、業界内での協力関係の構築。
放漫経営
<要因>:経営者の管理不足、不適切な資源配分。
<対策>:経営者の教育と意識向上、透明な経営の実施、監視体制の強化。
過小資本
<要因>:資金調達の難しさ、資本の不足。
<対策>:資金調達の多様化、資本の効率的活用、コスト管理の徹底。
まとめ
すべての企業は、倒産のリスクを理解し、それに対応するための戦略を策定することが重要です。
とりわけ、スタートアップのように、少しの変化が経営に大きな影響を及ぼすような組織体であれば、なおさらではないでしょうか。
失敗が起こりそうなポイントがどこなのかを事前に把握し、失敗に見合わないような日々のチェックを常日頃しておきたいですね。
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