起業をした経験は、振り返ってみると現在のわたしにとってかけがえのない財産です。
サラリーマンとして働いていたのでは得られなかった体験を、起業活動を通じて積むことができました。
しかしながら、多くの起業家同様に全てが良い思い出だったわけでなく、苦い思い出があったりと、その道のりは決して平坦ではありませんでした。
起業家としての挑戦は、残念ながら失敗に終わり、現在はサラリーマンとして企業で働く日々を送っています。
この経験を通じて、わたしは起業の失敗から心理的に立ち直る方法を学びました。
今回は、その学びを共有したいと思います。
立ち直りに際して行ったこと
失敗を受け入れ、感情を整理する
起業の失敗は、まず受け入れることから始まります。
失敗を否定し続けることは、心の傷を深めるだけです。
わたしは失敗を受け入れ、自分の感情と向き合う時間を持つことが大切だと感じました。
悲しみ、後悔(特にこれ)…これらの感情を素直に認めることで、心の重荷が少しずつ軽くなっていきます。
失敗の原因を分析し、学びを得る
次に、失敗の原因を冷静に分析することです。
自己反省は必要ですが、自己責任に過度に囚われることは避けるのが良いかと思います。
あまり自分を責めすぎても、心の傷が深くなるだけなので。
客観的な視点で、何がうまくいかなかったのか、どのような判断ミスがあったのかを考えることです。
この過程で、次に活かせる貴重な学びを得るのです。
たとえば、わたしの経験でいうと、余計なプライドのせいで、人に頼ることがすごく下手だったのが原因の1つだと認識しています。
企業活動に関わる様々な業務を一通り自分で体験するという目標を掲げ、自分の専門外にも手を付けてしまったことが、何もかもが中途半端にしてしまいました。
小さな成功を積み重ねる
起業の失敗後、すぐに大きな成功を目指すのは難しいかもしれません。
そこで重要なのは、小さな成功を積み重ねることです。
新しい職場では、いろいろと苦労し、今となってはかなり迷惑をかけたなと反省をしています。
しかし、それら失敗の連続の中でも、何かしら成長を感じる瞬間があるわけで、その些細な成功体験を噛み締めながら現実を受け入れていくことが良かったと今では考えています。
わたしの例でいうと、起業していたときは経験していなかったweb広告の仕組みへの理解が少し進んだ時、「あ、成長したかも」と成長を感じることができました。
また、成功は仕事だけでなくてもよいと思います。
私生活でも良いです。
とにかく、自分を褒めてあげる、認めてあげる、そこから次へのステップに踏み出すというスタンスで良いのではないでしょうか?
自己肯定感を高める
「小さな成功を積み重ねる」の最後にもある「自分を褒めてあげる、認めてあげる」と重なりますが、自己肯定感を高めることは、心理的な立ち直りに非常に重要です。
自分自身の価値を認め、小さな成功を喜び、自分を褒めることが大切です。
わたし自身は、精神的に大きく追い込まれての起業から撤退したわけでないので、企業で働くようになったときには、幸いにも精神的には安定していました。
むしろ新たな環境へに適応に戸惑うほうが大きかったです。
自己否定をしてしまいがちな人は、とにかく自分を肯定することから始めことを強くオススメします。
バランスの取れた生活を心がける
心身の健康は、心理的な立ち直りに不可欠です。
バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動は、ストレスを軽減し、ポジティブな心理状態を保つのに役立ちます。
自宅で仕事をしていたわたしにとっては、電車に揺られて通勤という行動が新たに生まれたことで、適度な運動を毎日行うことができました。
通勤途中に目にする情報からの刺激など、新たなアイデアの源泉に出会えるかもしれません。
新たな刺激を自分に与えることは、精神的なバランスを保つことにも役立つかもしれません。
まとめ
起業の失敗は、決して人生の終わりではありません。
それは新たな学びと成長の機会と言えます。
そして、起業の失敗は起業に挑戦した人にしか味わえない貴重な体験です。
この貴重な体験を、ぜひ世の中に活用していただき、これが世の経済活動の潤滑油として機能した時、日本のスタートアップを取り巻く環境に成長の拍車がかかるものと信じています。
起業の失敗経験は、むしろ社会では貴重だと胸を張って次のステップに踏み出すくらいの堂々とした気持ちを持ってもよいと思います(失敗に際してご迷惑をかけた場合にはそれ相応の気持ちの表示は大切ですが)。
この記事が、起業の失敗から立ち直り、再び輝くための一助となれば幸いです。
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