日本で起業が少ない最大の要因は?
一般社団法人 ベンチャーエンタープライズセンター発表の「ベンチャー白書」にて紹介されているアンケート「日本で起業が少ない最大の要因は?」の回答が、日本の起業文化をわかりやすく表現しているので紹介します。
設立5年以内のベンチャー企業に勤める人が上記の設問に回答したところ、最大の要因と回答したのが「失敗に対する危惧(起業に失敗すると再チャレンジが難しい等)」であり、全体の4割弱がこれを要因として挙げています。
なお、「失敗に対する危惧(起業に失敗すると再チャレンジが難しい等)」はここ数年、継続して1位を記録しており(2022年結果では50%弱を記録)、この原因は、現役スタートアップ経営者自身が最も強く感じている、スタートアップ普及に際しての課題であると言えるのではないでしょうか?
日本で起業家を増やすには何が必要か?
起業が少ない原因の裏返しになってしまうのですが、「日本で起業家を増やすには何が必要か?」という設問については、「再チャレンジ・セーフティネット」、「意識・風土・風潮」が過去3年間で上位2つを独占しており、「再チャレンジ・セーフティネット」は2022年に逆転しているという状況です。
失敗した人に再チャレンジする機会を提供すること、失敗へのセーフティネットの整備こそが起業家を増やすために必要と、現場では認識されているというわけです。
「寛容さ」が増せば、幸福度があがるし、起業に挑戦する人も増えるか
“World Happiness Report”では、各国の幸福度を「一人あたり国内総生産額(GDP per capita)」「社会的支援(Social support)」「健康寿命(Healthy life expectation)」「社会的自由(Freedom to make life chopices)」「寛容さ(Generosity)」「汚職の無さ・頻度(Perceptions of corruption)」「ディストピア+残余値(Dystopia + residual)」の合計で評価しています。
残念ながら、2022年の日本の幸福度は調査対象国の間で47位であり、「寛容さ」に関しては、グラフからは視認できないほどの小さな値がつけられています。
日本国民が幸せを感じていくには「寛容さ」を増すというのは1つなのかもしれません(「寛容さ」に欠けるからこそ、同調圧力を含んだ一定の社会秩序が保たれているとの見方も一方でできますが)。
起業の失敗に対する寛容さも増せば、日本での起業を取り巻く雰囲気・挑戦者の数が大きく良い方向に向かうのではないでしょうか。
コメント